CHÂTEAU DURFORT-VIVENS

いつもありがとうございます。酒のかわしまです。
先日「シャトー・デュルフォール・ヴィヴァン」のワインセミナーに参加させて頂きました。メドック格付け第二級シャトーのオーナー直々のセミナーという事で、ちょっと緊張しましたが、とても分かりやすく為になる有意義なものでした。

今回のセミナーのメイン、肝は新たにリリースされた「区画のシリーズ“les parcelles”」についてでした。この区画シリーズをリリースするに至ったボルドーでは珍しい(難しい)ビオディナミへ取り組み、徹底した区画の調査や管理など、シャトーの歴史を踏まえて教えていただきました。

◆デュルフォール・ヴィヴァンの歴史                      

・1855年 メドック格付けにおいて第2級に認定

・1937年~1961年 シャトー・マルゴー(格付第1級)に所有される
         この間、自身のラベルでリリースはされていない

・1961年 現オーナーの父ルシアン氏がマルゴーより買い戻す

・1992年 現オーナー ゴンザック・リュルトン氏がシャトーを引き継ぐ

・2009年 ビオディナミ農法へ移行を開始、2013年に完全移行

・2016年 ビオディナミ、ビオロジック認証取得

・2019年 区画によるキュヴェ“les parcelles”シリーズのリリースを開始

ちなみに父からの相続にあたっては、子供たち(10人)はそれぞれ第三希望まで要望を提示することになっていたのですが、ゴンザック氏は「デュルフォール・ヴィヴァン」以外はあり得ない、と第二・第三希望には「Durfort Vivens or NOTHING !」と書いたそうです。それは、デュルフォール・ヴィヴァンのカベルネ比率の高さや味のスタイルが好きだったこと、そして畑のポテンシャルを信じていたからだ。おっしゃっていました。

◆ビオディナミから区画シリーズのリリースへ                                  

現在のオーナー、ゴンザック・リュルトン氏は、父からシャトーを引き継いだ後に大規模な設備投資を行うなど、大きく品質を向上させました。そして、さらなる向上とデュルフォール・ヴィヴァンのテロワールを表現していく事を目指して、2009年からビオディナミ農法を取り入れていきます。湿気の多いボルドーでは病気のリスクも高いのですが、2013年には全ての畑においてビオディナミでの栽培に移行しました。それと並行して各区画の土壌の分析も行う事で、多様な土壌を細かく管理出来るようにしました。
このような取り組みを経て、2014年から現在のスタイルで区画ごとに醸造を行っています。そして一貫した品質とキャラクターを持つワインが安定して造れるようになったことで、2019年ヴィンテージから区画シリーズがリリースされる事となりました。

デュルフォール・ヴィヴァンの畑は、マルゴーAOCの4つの村、カントナック、スッサン、マルゴー、アルサックにまたがっている。多様な土壌があり、細かく丁寧に区画管理されている。

◆アンフォラを使った醸造と熟成                

ビオディナミ農法のおかげで、果実がよい成熟を迎えた頃に種子の方も、タンニンがやわらかい状態で収穫できるようになりました。次に醸造過程においてSO2の使用を最低限に抑えられるように取り入れたのがアンフォラ(素焼きの壺)です。デュルフォール・ヴィヴァンで使用するのはイタリアのTAVA社が手がける特注のアンフォラ。

“樽よりも酸化が起こらず、ステンレスタンクのように還元しない” 絶妙な熟成を可能にするもので、この特別なアンフォラの登場で得られた理想的な還元具合により、SO2の使用は最低限に抑えられるようになりました。

味わいは、若くからタンニンはなめらかでクリーミー、ブドウそのものの味が強く、まるで熟成による疲れを感じないような非常にピュアな果実味となり、「質の良いタンニン」と「美しい果実味」という目指すスタイルとなりました。

◆2019VTからのデュルフォール・ヴィヴァンは4種類                                        

これらの取り組みによって、デュルフォール・ヴィヴァンではテロワールを表現するワインとして2019年ヴィンテージから区画シリーズを新たにリリースしています。

当店にも入荷しましたので、ウェブショップからもお買い求めいただけます。
https://winekawashim.official.ec/

Ch.デュルフォール・ヴィヴァン(ファーストラベル)
 正統派マルゴースタイルを尊重したエレガントなスタイルのフラッグシップ

レ・プラント・ド・デュルフォール・ヴィヴァン(セカンドラベル/区画シリーズ)
 主に若木のぶどうを使用したセカンドはフレッシュなタイプ、「ル・ルレ」から「レ・プラント」になりました。

ル・アモー・ド・デュルフォール・ヴィヴァン(区画シリーズ)
 ル・アモーはエレガンス。カントナック村の10ヘクタールの斜面に位置する。深い砂利と日当たりの良い斜面により、果実が完熟する。

ル・プラトー・ド・デュルフォール・ヴィヴァン(区画シリーズ)
 ル・プラトーはパワフルさとエネルギー。スッサン村に位置し、深い砂礫からなる豊かで肥沃な土壌がワインに深みをもたらしている。

kawashima note

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